らぶぁーず*ぷりんせす
ケド俺は・・・
絶対に失いたくないーー・・・
そう思うと
俺の腕の中眠る琴姫が儚げに思え
抱き上げる腕にぎゅっと力が入る
目的地を前にして俺の目には
河田秀弥が映った
琴姫の部屋の扉の前にだるそうに寄っかかっている
「河田先輩・・・」
その声に俺を視界に入れる河田先輩
「誰、お前」
表情一つ変えずに言い放った
琴姫に会いに来たのか・・・?
「琴姫に何のようですか?」
「ネクタイ。ソイツには飯食ったら部屋まで取り行くとは言ったけど」
ネクタイか
そういえば、酒飲まされる前に部屋に戻りたがってたな。
「「・・・」」
一瞬沈黙が走り
「・・・ッー・・」
琴姫の寝息だけが静かな廊下で聞こえる
そうだ、琴姫を寝かせてあげなきゃ
この状況でも何故かまだここから引こうとしない先輩を他所に部屋に入り琴姫を布団に寝かす