らぶぁーず*ぷりんせす
横たわる私では狭い視界だけれども、生徒会室へ持っていこうとしていた書類が見当たらなかった
「あの、私書類持っていませんでしたか?」
「それは俺が行ったから」
先輩達の影に隠れていて私の目では見つけられなかった悠暉くんが私の前へ出て来てくれた
凄く、暗い表情で
「悠暉くん・・・ありがとう」
「琴姫、ごめん。」
そう言い横たわる私の手をギュッと握った
え・・・?
なんで悠暉くんが謝るの・・・??
「俺があの時、何が何でもついて行ってれば・・・ごめん」
私の手をギュッと握りしめたまま下へ俯く
「違うよ・・・悠暉くんは何も悪くないよっ・・・?」
自由な右手で悠暉くんの手をぎゅっと握りしめ返す
いつもは茶化す先輩方も今日は誰も何も言おうとしなかった
暫くの沈黙を部長が破る
「マネージャー、相手の顔見たか?」
相手・・・?
あ、そっか、自分で落ちたんではなく、突き落とされたんだ・・・