らぶぁーず*ぷりんせす










走ってくるその人は容赦なく私の手首を掴む










「・・・っ」












「あれ、泣きそう??

いいね、コウフンする」










変だっ・・・












可笑しいよ、この人っ・・・











正気沙汰とは思えないっ・・・










このままでは本当に危ないと思い、助けて欲しくて周りを見渡しても見られない人影










部室棟の近くには模擬店はなく、しまいには一般のお客さんは新入禁止区域








お陰で生徒も中々来ないような状態











もう・・・ダメだ













ワタシ・・・このまま・・・











・・・っ



















「離せ」











「「ーッ?!」」












諦めかけたその時ーバチっと音が聞こえて目の前の男の手を強く掴む悠暉くんが視界に映った













「は?なんだよ、女のくせに」












悠暉くんが女装したままだからか、見下すように言い放つ男











「・・・ゆうっ「離せ」












「・・・っ」












私が聞いたことない低くてドスの効いた声が発せられる









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