あたしの体質
はじまりと出会い
可もなく不可もなく人類は自然と向き合い共に持ちつ持たれつ歩んできた。
その為江戸時代から何も変わらず 変わった事といえば外国から輸入した服くらいな物だろう そんな世の中にヒトならざるモノー妖ーが街には住み着いていた。
ドロドロとした黒いモノや動物のようなモノまで様々なカタチをしており 下級と呼ばれ人に危害を加える しかし 最上級と呼ばれる妖は危害を加えず 下級から人を守り人に化け 紛れながら暮らしている。
その妖のヒトリである”藍場ーアイバー”と”泉那ーイズナー”は自分が住んでいるアパートー長田荘ーの大家”李依ーモモイー”に頼まれたお使いの最中だった。

「はぁ めんどくせぇ....つかなんで俺も行かなきゃなんだよ 泉那だけで行けば良かったんじゃ....」

「僕だけじゃ心配だったんだし!ももちゃんは...それに妖の僕達を住まわせてくれてるんだからこのくらいしてやろう?」

そんな泉那の言葉に藍場は無言になる。

妖と人は共に過ごしていた....がいつの時代からか人は妖を恐れ下級はもちろんソレから守ってくれていた最上級さえも殺していったのだ。そして2人も例外なく10年前人にやられかけたのだ。その証拠とでもいうように藍場は首に 泉那は背中に傷跡が残っている。
藍場は下級から助けようとし 妖の姿になった自分に怯えた顔を向けながら様々な罵声 悲鳴 そして 暴力.....それらから逃げるように走り力尽きたところを 通りかかった李依と泉那に助けられたのだ。

「....おう..」

「早く買うもん買って帰るんだし!また遅くなったらももちゃんが怒っちまうだろうから!」

「あぁ....そうだな....!?」

「まずは〜市場へ....どうした?あっく..っておいっ!?」

泉那は藍場が突然歩くのをやめ 止まったことに不思議そうな顔をし声をかけようとした途端走り出したのだ。

「今のは....っ!」

遠くから泉那が呼ぶ声が聞こえたが知ったこっちゃないと言わんばかりに藍場は走り去ってしまった。
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