心配性彼氏の甘い束縛
わたしは隼人に言われて、腕に力を入れて両手で押し返そうと試みる。
だけど……全然隼人はビクともしないし
隼人の手でさえ壁から離れない。
何回も何回も脱出しようと試みるのに抜け出せなくて
自分の力に無力さを感じて……
男の人の力を甘く見ていたことを感じて……涙が込み上げてきた。
するとふわっと隼人がわたしのことを抱きしめてきて
「分かった?これが男なんだよ。
身に染みたならもう俺以外の男と2人きりになるのは禁止」
私の頭をポンポンとする隼人に、わたしはコクンと頷いた。
「ぐすっ……怖かった。本当にこうなったらどうしようって途中からそのことばっかり考えてた」
「いざとなったら俺が飛んでくけど、もう少し危機感持てよ」
「……うんっ」
泣きながら返事したわたしに、隼人は近付いてきてキスされる!と思ったら寸前で止まった。
そして泣かせて悪かったなと眉を下げながら言うと
今までにないくらい優しく、甘い口づけをしてくれた。
こうしてわたしは心配性な隼人に“2人きり禁止令”を出されてしまったのでした―――。