心配性彼氏の甘い束縛



「水城先生、お待たせしてすみません」



と話している生徒たちの後ろから軽くペコっと頭を下げて言って職員室に行こうとした。



「ちょっと待って!出席簿!」



あっ!そうだった!



わたし出席簿持ったままだった!



水城先生に出席簿を手渡そうとすると、彼は生徒たちに『もうすぐ授業始めるから、準備してこい!」と言って教室に追いやっていて……。



「はーい!」と素直に言うことを聞いて教室に生徒たちが入って行った後



水城先生は再びわたしの方を向いた。



そして、『本当にすみません…」と言いながら渡すと



「ふゆは相変わらずおっちょこちょいだな」



とわたしにしか聞こえないくらいの小さな声でそう言って、そのまま教室に入って行ってしまった。


< 3 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop