心配性彼氏の甘い束縛
「別に冗談なんか言ってませんよ!
一緒に英語勉強してできるようになりかったですし、こんな教師と生徒じゃなくて生徒同士が良かった……」
え……。それって……もしかして。
「早田くん……」
―ピンポンパンポン
「橘先生、橘先生お電話です。
至急職員室まで来て下さい」
放送で聞こえたのは隼人の声。
職員室に行かなきゃいけないのは分かってるけど、この状態じゃ戻れない。
どうしようと思っていると……。
「ぷっ、冗談に決まってるじゃないですか!
先生とタメだったらなんて考えたことなかったですし、先生英語苦手だったらきっと話が合いませんよ!」
早田くんは早く職員室に行った方がいいんじゃないんですか?と言ってきた。
なんだ!わたしのことからかってたんだ!
英語できなかったら話が合わないなんてひどすぎる!
「ちょっと!先生をからかわないでよね!
それに今はちゃんと先生になれたんだから英語できるの!」
と少し頬を膨らましてそう言うと、一息吐いてから『またいつでも分からないところあったら聞いてね』と言って足早に空き教室を後にした。