後輩くんの悩み。
高野は、私の勤めている会社の後輩だ。
スラッと高い身長に、サラサラの黒髪、笑うと少しだけ見える八重歯は女心をくすぐる。
「それを言ったら、私は後輩にお金を出させるわけにはいかないわよ」
私がそう口にすると、何故か少しだけ曇る表情。
ん?と思ったのも一瞬で、すぐに先ほどの笑顔に戻って、
「じゃあ、普段食べられないような高級レストランに連れて行ってもらおうかな」
なんて言って笑った。
「こ、高級レストランか〜……」
今日、いくら持ってきてたっけ………。