後輩くんの悩み。
「私のことがいいって、あの人田辺さんのこともいいっていってるじゃない。知ってんのよ。っていうか、そもそもあの人みんなに言ってるでしょ」
グイッとカクテルを呑んで言うと、
「言い寄られたりしてるんですか?」
と高野が聞いてきた。
「なによー。こんな私でもいいって言ってくれる奴くらいいるんだからね」
ふんっ、と口を尖らせて言うと、
「いや、そういうわけじゃ」
と少し困った顔になった。
その後も三人でいろんな話をして、だんだんと酔いが回ってきた頃。
「あっ!お前のその腕時計!!結構高いやつじゃねぇかよ!」
私の手首を掴んで雄輔が言った。