後輩くんの悩み。
「ふふふん。この前コツコツ貯めてきた貯金崩して買っちゃった。たまにはね、いつも仕事頑張ってる自分へのご褒美〜」
お酒のせいもあって上機嫌になりながら話していると、雄輔は今度は私の手のひらを触り、
「てか、手小さすぎ」
と言った。
「なによ〜。別に女なんだから仕方ないでしょ!」
「俺と第一関節くらい差あるんじゃね?」
と言ってこちらに向けた雄輔の手のひらに、自分の手のひらを当てようとしたとき。
「原田さん、もうすぐビールなくなりそうだから頼んでおきましたよ」
それまでなんとなく空気状態だった高野が、グイッと雄輔にビールを手渡す。