10年越しのコクハク
「バ、バレバレって?意味分かんないよ」

ヤバイ、どんどんドキドキする。

ドキドキし過ぎて、今さらはぐらかしてみたり……。

そもそも和樹は、どうしてわたしにそんなことを言ってくるの?

昔のわたしたちだったら、こんな雰囲気にならなかったはずなのに。

すると和樹は、少し恨めしそうにこっちを見て、スッと立ち上がった。

「か、和樹?どうしたの?」

突然立ち上がられると、ビックリするじゃない。

視線で追っていると、おもむろに隣に座ってきたのだった。

その距離、体を少しでも動かしたら腕が当たるほど。

「ちょっと!何で隣に来たの?」

離れようにも、ソファーが結構狭い。

それに、離れようとする分、和樹が近付いてきた。

何よ〜。何が目的なのよ。

軽くパニックのわたしに、和樹は真面目に聞いてきたのだった。

「美希、オレのことをずっと気にしてたんだろ?」
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