て・そ・ら
3、銀灰色でも笑って
・2度目の衝突
土曜日は秋晴れだった。
この週末は日本中のあちこちで運動会が開かれているらしく、朝のテレビでも運動会日和です、ってお天気お姉さんが笑顔で話していた。
あたしは休日登校をしている。
昨日作品を仕上げてしまったので、顧問が大掃除宣言をしたからだった。
「綺麗な状態で文化祭を迎えなきゃね。皆、土曜日は暇でしょ?学生がだらだらしちゃいけないから、明日は部室の掃除をしましょう」
って。
勿論大半がブーイングをかました。
だけど先生もわざわざ学校へ出てくること、それに確かに部室が酷い状態であることで、現在の部長である杉田さんが部長命令を出したので、特に用事のない部員は出席になったのだった。
「許可はとってあるけど、2時までだから皆頑張ってね~」
顧問はにこやかに笑ってそういって出て行ってしまう。どうやら何か仕事があって、そのついでだったらしいと全員がわかってしまった。
部長の杉田さんが大きなため息をついて唸った。
「・・・仕方ないわよ。3時間あるから、もうちゃっちゃと片付けてしまおうよ。昼には解散して、家でごろごろしたいし」
「うす!」
そんなわけで、皆どことなく不機嫌に大掃除を始める。