単純な恋。
無言のままの私。


コーヒーカップに手を出さない私に西原が口を開く。


「ブラック、駄目だったか?ミルクが切れてて。砂糖だけ入れるか?」


「…」


返事しない私に


「近くのコンビニで買って来ようか?」


「……いい…よ」


私がワガママ言ってるみたいになってる。


「……カップ…が嫌なの」


…元カノが使ってたカップ。


「カップ?」


カップを持ち上げて確認する西原。


「可愛いじゃん。…もしかして…汚れてたか?
使う前に洗ったんだけど」


「そうじゃない。………元カノ…の使ってたカップでしょ?」


「へっ?」


訳がわからないといった感じの返事をした西原。


「…透…のカップとお揃い…」











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