単純な恋。
「あ~。そう言う事」


フフって、私の顔を見て笑った西原が立ち上がりキッチンに行った。


戻ってきた西原が箱をテーブルに置く。


「今日、おろしたて。
結婚式の引き出物で貰ったやつ」


カップに書かれているロゴと同じロゴが書いてある箱。


「納得した?」


自分の言動が恥ずかしくなってきた。


…あからさまな…ヤキモチ。


うつ向いて前髪を触る。
顔を隠すようにして。


『女』出してる自分が恥ずかしかった。


「温かいうちに…どうぞっ」


西原が冗談混じりに言ってカップを私に近づけた。


「…ありがとう」


オズオズと腕を伸ばしてやっとカップをとった。





< 23 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop