単純な恋。
「夏海?夏海はいい女だよ。夏海の事は忘れない」


「…それって別れるって事?」


「別れるって。俺達、友達だろ?夏海とはまた会えるよ」


「…友達って。…私達、付き合ってるよね?」


「えっ。俺達、付き合ってたの?」


スットボケタ、アイツの声。





―‥――――――――‥―――――。


私の心が冷めていく。





パッと起き上がり、帰り支度をする。


「うん?夏海?もう、帰るの?」


後ろからアイツの声。
この状況でいつ帰ればいいタイミングなのよっ。


「最後のお願い。目閉じてくれる?」


怒りを抑えて言った。


「なんだよ。キスでもするのかよ」


ニタっと笑うアイツが目を閉じた。
ニヤケタ顔に平手打ちした。


呆気に取られてるアイツの顔を見て


「さよなら。私の事は忘れてくれていい。
もう、会うことは無いからっ」


早口で言い部屋を出た。


グーパンチじゃなかった事は感謝してよねっ。
私の最低限のお情けよっ。











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