単純な恋。
「夏海もビール飲む?」


お風呂から出てきたら西原がビールを飲んでいた。


「酎ハイにしようかな?まだあったよね」


「俺、持ってくる」


酎ハイとおかわりのビールをテーブルに置いた。

タブを開けてくれる西原。


「はいっ」


私に渡して自分のビールを開ける。


「乾杯」


缶をならして喉を潤す。


「髪乾かしたの?風邪ひくよ」


半乾きの西原の髪の毛が目に入った。


「俺、いつもこんな感じだから。寝る頃には乾いてる」


「ふ~ん。髪の毛って天パ?」


「ああ。今は少しはましになったけど子供の頃はクリクリで嫌だったな~。女の子に間違われて」


格好いいと言うより可愛い系の西原の顔。


今の西原がミニチュアになってスカートはいてる姿が頭に浮かび笑ってしまった。


「笑ったな」


コツンと指で私の頭を押した。










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