単純な恋。
「おはようございます」


「おはよう」


会社のエレベーターの前で後ろから真樹ちゃんが声をかけてきた。


「今日も残業ですかね?」


「かもね」


「あ~あ。友達が合コン誘ってくれたんですけどキャンセルかな?」



ファ~。


真樹ちゃんの話を聞きながらアクビが出ていた。


真樹ちゃんが私のアクビに気づいた。


「先輩も疲れてますね」




昨日の事を思い出す。
『今日は寝かせない』と言った西原。


隣にいた西原を見ると小さくアクビしてた。


ったく。
呑気なもんよ。


目が冴えてしまった私はなかなか寝付けなかった。


アチコチに残る西原の痕跡が体にまとわりついて。


「主任までアクビしてる。先輩のアクビが移っちゃいましたね」


「そうかも」


ハハハッと笑いながらエレベーターに乗り込む西原。


軽く睨んだ私に更に笑ってた。















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