単純な恋。
タクシーの窓から外を眺めてた。


出会いがあれば別れもある。
別れって何度経験しても慣れない。


元彼…じゃなかった、アイツ。
元気にしてるかな?


アイツの事を思い出す程、センチメンタルになっている私の心。


夜って心が狭くなる。
感情が敏感に突き刺さる。




そんな時。


モゾモゾと私の手に触れる何か。


ちょっと、ぎこちなく私の手を握る西原の手。


西原の方を見たら窓の外を見てた。
私の事を慰めてるつもりなのかな。
ちょっぴり、カッコつけてる西原に笑えてきた。


繋いでる手をギューッと強く握り返したら
『イツッ』と小さく痛がる西原の声がした。


それだけの事なのに可笑しくなり心が温かくなる。


器用なのか不器用なのかわからない西原の優しさに私の心は癒される。











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