単純な恋。
2
「西原‥主任。ここに印、もらえますか?」


ちゃんと確認してよね。


「おおー。悪い」


「西原‥主任。ネクタイ、曲がってますよ」


西原がネクタイを直して私の方を向いた。


「これでいいか?」


「大丈夫です。西原‥主任」





失恋して、これからは仕事に頑張ろうと思っていた矢先に同期の西原が主任に昇格した。


どうしてあんたが私の上司になるのよっ。


今まであんたのフォローを何回したと思ってんの?


西原が印を押した書類をサッと取り席に戻る。





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