単純な恋。
「…………うん」


私が返事して西原が私を抱き寄せる。


「なんで泣くんだよ」


頬に涙が流れてた。


私の言えなかった子供の頃の感情。
心に隠して誰にも言えなかった。


西原が話してくれた家族の事。
私に感謝してるって言ってくれた。


気持ちが楽になったって西原が言ったけど私も何かがスッーっと消えていく感じがした。


それが涙となって流れた。


西原がいてくれて良かった。
それだけで私の心は温かい。


静かに抱き締めてくれてた西原。
気持ちも落ち着いてくる。





「…夏海さ、強がりの癖に涙もろいよな。
しっかりしてる風で、時々弱くって。
夏海の事は俺が守ってやるから。
俺には…甘えろ」










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