社内恋愛がバレるとき

~一樹Side~

営業部と総務部の合同忘年会。
気付くと俺·山下一樹は、何故か総務の女性5人に囲まれていた。
その中に俺の彼女·小林未来はいない。
見回すと未来は、俺とは逆の隅っこでビールを飲んでいる。
ふと目が合ったが、彼女の表情は変わらない。

…俺が女性に囲まれていても、何とも思わないのか?…

そんなことを考えていると、1人の女子が、やたらぐいぐいと俺の近くまでくる。
菊地裕実さん。
未来が直接仕事を教えている後輩。
だから邪険に扱うことはしたくないのだけど…かなりウザイ。

また未来を見ると、保坂課長にお酌されていた。
未来は何も言って来ないが俺は知っていた。課長が未来を狙っていることを。

『未来は俺の彼女だ』

みんなにそう言いたい。
でも無理だ。
付き合いはじめるときに未来から゛内緒にして゛と言われたから。
俺が彼氏じゃ不満なのか?

ちょっとイライラしてくる。

また未来の方を見ると、澤村さんと長谷部が未来と保坂課長の話しに混ざったみたいだ。
課長と2人きりでないのはいいが、ちょっと複雑だ。



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