社内恋愛がバレるとき
周りの女性たちに応えながらも、意識は未来の方に行っている。

…なんだ?
なんで保坂課長が未来の髪を撫でているんだ…?

そんなことを考えていると、
「山下さん、どうぞ」
と、菊地さんからビールを注がれた。
半分ほど一気に飲んだ。

そうしてまた未来を見ると、席を立つところだった。
トイレだろうか?
追いかけよう!
体が勝手に動く。

「山下さん、どちらに行かれるんですか?」
聞いてきたのは菊地さん。
やっぱりウザイ。

「あー、ちょっとトイレに」
そう言ってハッとする。

まさかこの女性(ヒト)たち、トイレまで追いかけて来て待ち伏せなんかしないよな?

「あー。疑うわけじゃないけど。
トイレまで追いかけて来て待ち伏せするような女性(ヒト)、俺は話をする気もないから」

一応、釘を刺しておく。

そうして座敷を出て、未来が行ったであろう場所へ、彼女を追いかけて行った。
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