社内恋愛がバレるとき
俺は未来から唇を離す。
そして彼女に言う。

「…未来。
俺、もう限界。今すぐお前を抱きたい。
すぐ、一緒に抜けるぞ」

俺の言葉の勢いに頷いた未来だが、
「えっ…、ちょっ、無理だよ。一緒に抜けるなんて無理!」
この期に及んで、まだこんなことを言う。

だから俺は意地悪をすることにした。

「…そっか。未来は俺と帰ってくれないんだ。
じゃあ俺、菊地さんと一緒に二次会に行ってくるよ。
いいよな?」
そう言って未来を突き放した。

しばらくしてから、
「ヤダ!二次会なんて行かないで!
…一樹のそばにいたい」
と、可愛いことを言ってくれた。

俺は未来を抱きしめると
「良くできました。
ご褒美は、これから、たっぷり愛してあげるからな」
彼女の耳元で囁いた。

顔を上げた未来が、真っ赤になっていたのは言うまでもない。


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