社内恋愛がバレるとき

~未来Side~

それから周りを確認して、一樹を女子トイレから出した。

…なんて大胆なことをしてしまったのだろう?
恥ずかしすぎて、顔から火が出そうだ…

一樹に手を引かれ、宴会の席へと戻る。

一樹が襖を開けると、みんなが一斉に私たちを見たのが分かった。
繋がれた手が熱い。

「すみません。
彼女、飲みすぎたみたいなんで、俺、送って行きます」
一樹が告げる。

すると、すぐに
「えーっ。
山下さん、一緒に二次会行きましょうよ」
と菊地さんの声がした。

「そうだよ、山下。
せっかくだから、二次会に参加して行けばいい。
小林は、俺が送って行くから」
課長がそう言いながら私たちに近づいてきた。
そして、一樹に繋がている手を掴もうとする。

そんな私を、一樹は後ろに隠しながらみんなに言う。

「菊地さん、ごめん。
二次会は行かない。
保坂課長。
未来は俺の彼女なので、俺が送って行きます。
たとえ課長でも、他の男性(オトコ)に任せることは出来ません」



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