time machine
バレンタインまであと数週間。
街はバレンタインムード一色だ。
「あんたは今年こそ、本命渡しなさいよ」
親友の瑞希に釘を打たれる。
分かってるよ…
今年が、最後のチャンスかも。
アイツとあたしの志望校は一緒だけど、
2人一緒に受かるかは断言できないし。
中3のこの時期。
みんなは受験の事で頭を抱えている中で
あたしは違う事に頭を抱えていた。
「由梨絵ー、数学のノート見せろー」
…コイツ。
「…村上、あのねー…」
「いーだろ別に、見やすいんだから」
告白してもし、ダメだったら。
…こんな風には話せなくなるのかな。
そう考えると恐くて仕方なかった。
今の関係が心地よくて。
その関係を、壊したくなくて。