俺は俺だから



「やっぱ最後は線香花火だよな★」
晴とカナが『五刀流~~』とかって遊んでる中、
那智が一人で線香花火をしてたから、俺も混ざった。

「‥‥おう」
今にも落ちそうな小さい火の玉をじ~っと見つめて目を離さない。
俺の花火にも火をつけた。
「‥‥」
だんだん大きくなる火の玉。
するとバチバチと火花が飛び始めた。
「おぉ~~」
「なんかバチバチしすぎじゃない?」
「うん、なんか飛んできそーで怖い」

「‥‥あっ!!」
那智の方に目をやると、火の玉が落ちた後だった。
砂の上にこげた跡。
「落ちちゃった~」
「あー、どんまい‥‥て、あ」
続くかの様に俺の火の玉も落ちた。










‥‥‥ん?
なんでこんな沈黙?


と、那智が急に口を開いた。

「‥‥一悟ってさ、友達多そう」
なんの話かと思ったら!
「おぉ、あざーす♪」
「はは(^^) いーなあ、悩みとか相談したりするんだろ?」
「や? まったく無い。」
「えぇ?!」
『まっさかー』ってゆー顔で驚いて俺を見る。
俺は当たり前のよーな顔で話した。
「俺、悩まないから」
「ありえなっ!!」
変なものを見るかのよーな目をする那智。
そんなに変か?
「悩むのもめんどくさいっつーか‥‥。
1度きりの人生生きてるわけで。
どーせならうじうじ悩む時間もったいないし、その時間楽しんでたいじゃん?
‥‥俺は、最っっっ高のめちゃめちゃ楽しい人生にしたいわけ!!
わかる?!」


俺の力説もむなしく、那智は難しそーな顔。
しばらくすると理解したのか、
「あぁっ! そーだわ! うん、なんとなく!!」
と顔を輝かせてきた。

「‥‥よーするに、悩んでばっかのマイナス思考じゃなくて、
一悟は人生まとめて“楽しかった”て言えるよーなプラス思考でいたいと。」
「んー、まあそんなカンジかなぁ?」


 
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