俺は俺だから
 

春風が気持ちいーっ。
俺は晴とカナと屋上で昼飯を食べていた。
「なあ〜、俺は思うんだけど」
大好きな購買のカレーパンをほおばりながら、カナが言う。
「? 何を?」
俺と晴は何事かとカナを見る。
「‥‥俺は思う! 田崎はきっと一悟が好きだ!」


ぶふっっっ!!!!!!!!!
そりゃあねーだろ!?


俺は予想外のカナの言葉に、吹き出した。
のに、晴は納得して
「それ、俺も思ってた! だよなあ、やっぱ‥‥だよな!」
なんて言ってる。
「ないないない! だいたい、俺のどこがよ?」
否定する俺。
続ける晴とカナ。
「イッチーかっくいーし? 優しーし? 人気者だし? マザコンだし?」
「誰がマザコンだっつの」
「だってさ〜、田崎あきらかにイッチー特別扱いだぜ?」
「そーなの?! まあ、昨日メアドは聞ーてきたけど」
「「それだよ!!!!」」

あぁ?!
なんでメアドだけで?!

「田崎は自分から男のアドレス聞かないんだよ」
「はぁ?! まじかよ?」
「まじまじ。 俺も自分からきーたわけだし」
「ほらきたぁ、付き合っちゃうのか??!!」
「ははっ、ないだろ〜」
「いやいや。 人生わかんないデスよ♪」



う〜ん。
なんか複雑な気分。
まあ、こいつらの言うことだし、あてにはしてない。
確かに、田崎とはよく目があったりする。
でもそんだけだし。
けど‥‥
田崎かあ〜。
まさかな。


 



 
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