俺は俺だから



それからは田崎とは特になにもなく。
俺が意識とかするはずもなく。
もともと田崎は男とはあまり絡まない系だし、接点もなかった。
カナはこの件が相当楽しかったようで、少し残念そうだ。
体育祭、文化祭という行事もあっとゆー間に過ぎ、夏休みに突入した。


暗くなった、夜の神社。
屋台がたくさん並んでいる通りには、何千もの人。
俺らはその人ごみをぼーっと眺めながら、たこ焼きをほおばる。
と、目の前にイチャつくカップルが一組現れた。

「祭りに男3人て‥‥。」
俺は悲しくなって下にうつむいた。
「ナンパすりゃーいーじゃねーかよ」
晴が真面目に答える。
「俺は明日彼女とまたくるし♪」

カナ‥‥。 彼女かあ。
‥‥‥?! 彼女?!

俺は驚いてむせてしまった。
「お前彼女いたのかよ?!」
「いますよ~ん♪ 幼なじみの、カワイイ子が♪」
カナは幸せそ~な顔で軽くノロケる。
「うわ~~~、いないかと思ってた」
晴がその顔を悔しそうに見る。
「どんな子? 写メとかあんだろ?」
気になってカナにせまる。
「もち★ この子ー」
カナの携帯には、茶髪のショートカットで気の強そうな子が写ってた。
「普通に可愛いじゃんかよ!!!!!」
カナの首に俺の腕を巻きつけた。
「俺のタイプじゃないな♪」
なぜかほっとしたよーな晴。

カナは”えへへ~~”と相変わらずニヤついてる。
こんな幸せそーな顔みてっと、恋したくなんな~!
そろそろ彼女欲しいし。
でも無理に作んのもアレだよなあ。
俺はマイペースでいーや。





って思ったのに。
その夜。
なんで?!




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