俺は俺だから

おせっかい野郎 ...那智

 


ドーン‥‥

あ、花火‥‥


今日は祭りの日。
あたしは1人でいつもより人の多い大通りを避け、
海岸沿いに歩いてた。


白に近い金髪。
ないに等しい眉。
まつげはこれ以上ないくらい長くて目の周りは真っ黒。
口には煙草で、手には常にケータイ。
絡む友達は暴走族か、ギャル。
どっかの族の総長も顔見知りだったり。
こんなあたしは、たぶん世間で言う『不良』って奴。


と、砂浜で花火をしてる女子高生らしき姿が見えた。
『キャッ』なんて言って、はしゃいじゃってる。
あたしも、普通にちゃんとした道を歩いてたら。
友達とはしゃいで。
カラオケとかもして。
彼氏とかもいて。
プリクラとりまくったりして。
でもそんなこと今更考えたって無駄だし。
あたしが選んだ道は、この道。
後悔なんてしてない。


女子高生の姿を見ていたら、なんっかイラついてきた。

帰るか。

つっても、帰る場所なんて親がいたことなんて一度もない腐った家庭。
『帰る』なんて言葉がふさわしくない気がするけど。

あたしは一歩ずつわざとだるそーに歩く。



‥‥あーあ、つまんねえ。



 
< 8 / 18 >

この作品をシェア

pagetop