女子力高めなはずなのに
とにかく寝よう。それが一番。

そう思って着替えてベッドに入ったら電話がかかってきた。

……中野さくらだ。また親父が来たのか?

「どうした?何かあったのか?」

『井川さん、風邪ひいたの?』

「?」

何で知ってるんだ?

「お前も風邪ひいたのか?」

『ううん、私はひいてないけど。……何か食べた?』

「いや、もう寝るとこ」

『……何か作ってあげようか?』

それはこれから俺の家に来て作ってくれると言う意味だろうか。急にどうした?

「うつるといけないから、いいよ」

『誰かいるの?』

「いないよ!寂しく一人ですよ」

『作ってくれる人、いるの?』

「だからいないって」

『じゃあ、これから行くよ』

あっ、切れた……。風邪うつしたくないから断ったのに。
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