女子力高めなはずなのに
お兄ちゃんは、私を連れて隣町に家を借りて、それから私が高校を卒業するまで二人で暮らした。
隣町に引っ越したのは、私がいじめられていたことを知ったからだろう。
わざわざ知っている人のいない土地で新しい生活をスタートさせてくれた。
お兄ちゃんと暮らし始めてから、私は食べることに困らなくなった。
それに、お兄ちゃんは面白くて楽しくて、妹に甘すぎる兄だった。
いつも笑顔で、私を可愛がってくれた。
今となっては信じられないけれど、あの頃は髪もお兄ちゃんが梳いて結ってくれていた。
もちろん、人に優しくすること!とか、人の物を盗ってはいけません!とか(自分のヤンチャ時代のことは棚に上げて)社会の常識も厳しく教えてくれた。
そして、それまで夏も冬も同じ汚れた服を着ていた私に新しい服を買い、欲しいものは何でも買ってあげると言った。
何かを買ってもらうなんて発想がなかった私には衝撃的だった。
でも、私はお兄ちゃんの言葉に完全に甘えることはできなくて、必要なものだけを買ってもらっていた。
やっとお兄ちゃんに拾ってもらったのに、甘え過ぎて見捨てられることが怖かった。
それに、お兄ちゃんが働いて稼いでくるお金がそれほど多くないことも知っていたし。
隣町に引っ越したのは、私がいじめられていたことを知ったからだろう。
わざわざ知っている人のいない土地で新しい生活をスタートさせてくれた。
お兄ちゃんと暮らし始めてから、私は食べることに困らなくなった。
それに、お兄ちゃんは面白くて楽しくて、妹に甘すぎる兄だった。
いつも笑顔で、私を可愛がってくれた。
今となっては信じられないけれど、あの頃は髪もお兄ちゃんが梳いて結ってくれていた。
もちろん、人に優しくすること!とか、人の物を盗ってはいけません!とか(自分のヤンチャ時代のことは棚に上げて)社会の常識も厳しく教えてくれた。
そして、それまで夏も冬も同じ汚れた服を着ていた私に新しい服を買い、欲しいものは何でも買ってあげると言った。
何かを買ってもらうなんて発想がなかった私には衝撃的だった。
でも、私はお兄ちゃんの言葉に完全に甘えることはできなくて、必要なものだけを買ってもらっていた。
やっとお兄ちゃんに拾ってもらったのに、甘え過ぎて見捨てられることが怖かった。
それに、お兄ちゃんが働いて稼いでくるお金がそれほど多くないことも知っていたし。