女子力高めなはずなのに
「送ってくれてありがとう」
「うん、じゃあね」
井川さんはコートのポケットに両手を突っ込んで、後ろ向きに歩きながら言った。
なによ。
なんだか恋人の別れ際みたいじゃない。
寂しくなって、パッと体の向きを変えて急いで階段を駆け上がった。
本当は振り返って井川さんの姿を見たかったけど、振り返らずに家の中に入った。
バタンッ!
扉の閉まる音が響いて、胸に寂しさが募った。
じっと手のひらを見つめる。
ついさっきまで井川さんと手を繋いでいたんだ。
まだ少し温もりが残っているような気がして、あの感触を思い出して胸がキュウッと痛くなった。
すごくすごく、嬉しかった。
でも。
すごく寂しい。
やっぱり涙が落ちてくる。
私、誰かの代わりなんかでいいの?
でも代わりになっていれば、また井川さんと一緒にいられるかもしれない。
そのうち私を見てくれるかもしれない。
……って、なにそれ?
超弱気!
相手は色白やせ眼鏡だよ?
なにやってんの!
それに、好きって気持ちを認めた方が前向き!とか言って、こんなの弱すぎでしょ?
全然幸せになれる気がしない。
それなのに。
幸せじゃなくてもいいから、井川さんと一緒にいたいと願ってしまう。
また手を繋ぎたい。
また抱き締めてほしい。
……。
色白やせ眼鏡のくせに、私にこんな思いをさせるなんて。
どうして私の幸せ邪魔するの?
もう邪魔しないでほしいのに。
これじゃあ私、全然幸せになれないよ。
「うん、じゃあね」
井川さんはコートのポケットに両手を突っ込んで、後ろ向きに歩きながら言った。
なによ。
なんだか恋人の別れ際みたいじゃない。
寂しくなって、パッと体の向きを変えて急いで階段を駆け上がった。
本当は振り返って井川さんの姿を見たかったけど、振り返らずに家の中に入った。
バタンッ!
扉の閉まる音が響いて、胸に寂しさが募った。
じっと手のひらを見つめる。
ついさっきまで井川さんと手を繋いでいたんだ。
まだ少し温もりが残っているような気がして、あの感触を思い出して胸がキュウッと痛くなった。
すごくすごく、嬉しかった。
でも。
すごく寂しい。
やっぱり涙が落ちてくる。
私、誰かの代わりなんかでいいの?
でも代わりになっていれば、また井川さんと一緒にいられるかもしれない。
そのうち私を見てくれるかもしれない。
……って、なにそれ?
超弱気!
相手は色白やせ眼鏡だよ?
なにやってんの!
それに、好きって気持ちを認めた方が前向き!とか言って、こんなの弱すぎでしょ?
全然幸せになれる気がしない。
それなのに。
幸せじゃなくてもいいから、井川さんと一緒にいたいと願ってしまう。
また手を繋ぎたい。
また抱き締めてほしい。
……。
色白やせ眼鏡のくせに、私にこんな思いをさせるなんて。
どうして私の幸せ邪魔するの?
もう邪魔しないでほしいのに。
これじゃあ私、全然幸せになれないよ。