女子力高めなはずなのに

何だったんだろう。

ドジな色白やせ眼鏡が、朝になったらカッコイイ井川さんに変身していた。

それに、なんだかすごく楽しかった。

でも週が明けて会社に行ったら、またあのヨレヨレねずみ色に戻っちゃうのかな。


あれ……？

いやいや、違うよね。

私が気にしていたのは槇村さんじゃなかったっけ？


そうだよ！

槇村さんに綺麗だねって言われて誘われそうな雰囲気だったんだ。

飲み会でも隣に来てくれたし。


なんか、すっかり忘れてた。


この間は途中になっちゃたけど、槇村さん、また誘ってくれるかな。

邪魔が入らなければいいんだけど。

あんなタイミングでバケツをひっくり返したくせに、なにが俺は本気出してないだけ、だ。

仕事は本気でやりなさい！

……井川さん、あんなにカッコイイのにどうして本気を出さないんだろう。