女子力高めなはずなのに
週明け、ぶつけた頬の痕が残りそうで心配していたけれど、ほんの少しだけ目の横にあざが残ったくらいで済んだ。

これなら、コンシーラーで隠して髪の流し具合を少し変えたらごまかせそう。

いつも通り会社に出勤して、理恵と愛ちゃんが盛り上がるのを横目で見ながら伝票入力をし続けた。

うん、大丈夫。バレてない。

みんな、全然見ていないもんね。

良かった。


ほっとしつつ、また槇村さんに会えないかなーなんて秘かに期待しながら、去年の台帳を探しに倉庫に行った。

でも、倉庫には誰もいないわけで。


そう何回も会うわけないよね。

自分を慰めるつもりで鼻歌を歌った。

落ちぎみな自分の気持ちも持ち上げたいし。


探していた資料はちょっと高い位置にあった。

んー、届くかな?

取ろうとつま先立ちをして手を伸ばしたら、スッと後ろから手が出てきて、資料を取ってくれた。
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