女子力高めなはずなのに
お?

まさか?

槇村さんっ?

なーんてねっ!

そんなわけないよねーと振り返ったら、資料を手に立っていたのは本当に槇村さんだった。

「えっ?」

それはあまりに不意打ちで、何度もまばたきをしてじっと見つめてしまった。

いつもの優しそうな瞳。

「はい、どーぞ」

「す、すみません!ありがとうございます」

ぺこっと頭を下げて資料を受け取る。


夢じゃないよね?

もう、嘘みたい。

もしかして、追いかけてきてくれた?
なーんて!

キャー!

本当に期待しちゃう!

「お安い御用だよ。このくらいのことしかしてあげられないからね」

そんなこと言って、素敵な笑顔を向けられたらクラクラしちゃうから。

「そんな……、とんでもないです」
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