女子力高めなはずなのに
ノムさんの動き次第、なんて思っていたらノムさんは意外とすぐに動いた。

その日はちょっとだけ残業になってしまって、一人で更衣室で着替えていた。

ノムさんが入って来たから、嫌な予感はしたんだけど。やっぱりノムさんは話しかけてきた。


「中野さん」

「は、はい?」

「槇村さんのこと、狙ってるのは分かるけど、邪魔しないでほしいの」

うわっ!ずいぶんストレート!

驚いてノムさんの方を向いた。

そんでもって、私が邪魔してるってことになってるの?

どうしてかなー。

「そんな。私、邪魔なんてしてませんよ」

「中野さんには私の気持ちなんて絶対にわからないと思う。そうやって綺麗にしてたら、いつだって男の人からちやほやされるでしょ?」

「そんなことはないんですけど……」

もう若くもないし、ちやほやされるなんてそんなこと、全くない。

ノムさん、そんなの誤解だよ!

でも、私の心の声はノムさんには届かず。
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