キャッチ・ミー ~私のハートをつかまえて~
流産した私の赤ちゃんたちと会話がしたくて、霊と話ができるという女性のところへ行ったことがある。
そこでは「あなたには視えなくても、いつもあなたのことを見守っています。そしてあなたが幸せになることを願っています」と言われた。
先月行ったスピリチュアルカウンセラーの女性からは、「子どもが産めない体を選択したのはあなたです」と言われた。
どちらの女性からも、「これは罪ではありません。自分自身を罰する必要はないんですよ」と言われた。
そのスピリチュアルカウンセラーは、子どもを亡くした経験から、視えない存在と「会話」できたり、ビジョンが視えるようになったとホームページに書いてあったので行ったんだけど・・・。
そんなことを言われるとは思ってなかった私は、彼女が言ったことに、全然共感できなかった。
正直そんな1時間半の「カウンセリング」料に、1万5千円も払った自分は、すごくバカだと思ったし、お金がもったいないとも思った。
『私が言うことを信じなくても構いません。それも聖さんの選択だから。でも私には、聖さんとある男性が仲良く寄り添っている姿が視えています』
『・・・え』
『ありのままのあなたを再び受け入れ、愛することができるようになったとき、聖さんのことを愛する男性が必ず現れますよ』
とも言われたんだっけ。
私はそんなことを聞きに行ったんじゃあなかったんだけどな・・・あ、いけない!もう行く時間だ。
次のバスから混み始めるから、その前の人が少ないバスに乗って行きたい。
すさんだ心に重たい思考もいつもと同じ。
そして体もいつもどおりに動かして仕度を終えた私は、黒いコートを着て、くたびれたバッグを持ち、くたびれたベージュのスニーカーを履くと、玄関のドアをいつもどおり開けた。
でもその前に見えた光景は、いつもと違っていた。
ドアを開けた途端、私は一人の男性と目が合った。
あ・・・れ?この人、どこかで会ったことがある・・・・・・。
と途切れがちに思いながら、私は慌てて目をそらすと、出かけるためにドアを閉めた。
やだ。なんか、自分でも分かるくらい、すごく・・・心臓がドキドキしてる。
このままだと緊張し過ぎて、息ができなくなる。
落ち着いて、私!
と私は心の中で自分に話しかけながら、必死に自分を宥(なだ)めていた。
そして、震えている右手をコートのポケットに入れて鍵を取り出す。
鍵を閉める音を聞くことで、少しずつ私は落ち着きを取り戻していった。
えっと・・・確かこの人、2ヶ月くらい前に隣に越してきた・・・あぁそうだ!
謎の隣人さんだ!
と私が思ったそのとき、低い声が聞こえてきた。
そこでは「あなたには視えなくても、いつもあなたのことを見守っています。そしてあなたが幸せになることを願っています」と言われた。
先月行ったスピリチュアルカウンセラーの女性からは、「子どもが産めない体を選択したのはあなたです」と言われた。
どちらの女性からも、「これは罪ではありません。自分自身を罰する必要はないんですよ」と言われた。
そのスピリチュアルカウンセラーは、子どもを亡くした経験から、視えない存在と「会話」できたり、ビジョンが視えるようになったとホームページに書いてあったので行ったんだけど・・・。
そんなことを言われるとは思ってなかった私は、彼女が言ったことに、全然共感できなかった。
正直そんな1時間半の「カウンセリング」料に、1万5千円も払った自分は、すごくバカだと思ったし、お金がもったいないとも思った。
『私が言うことを信じなくても構いません。それも聖さんの選択だから。でも私には、聖さんとある男性が仲良く寄り添っている姿が視えています』
『・・・え』
『ありのままのあなたを再び受け入れ、愛することができるようになったとき、聖さんのことを愛する男性が必ず現れますよ』
とも言われたんだっけ。
私はそんなことを聞きに行ったんじゃあなかったんだけどな・・・あ、いけない!もう行く時間だ。
次のバスから混み始めるから、その前の人が少ないバスに乗って行きたい。
すさんだ心に重たい思考もいつもと同じ。
そして体もいつもどおりに動かして仕度を終えた私は、黒いコートを着て、くたびれたバッグを持ち、くたびれたベージュのスニーカーを履くと、玄関のドアをいつもどおり開けた。
でもその前に見えた光景は、いつもと違っていた。
ドアを開けた途端、私は一人の男性と目が合った。
あ・・・れ?この人、どこかで会ったことがある・・・・・・。
と途切れがちに思いながら、私は慌てて目をそらすと、出かけるためにドアを閉めた。
やだ。なんか、自分でも分かるくらい、すごく・・・心臓がドキドキしてる。
このままだと緊張し過ぎて、息ができなくなる。
落ち着いて、私!
と私は心の中で自分に話しかけながら、必死に自分を宥(なだ)めていた。
そして、震えている右手をコートのポケットに入れて鍵を取り出す。
鍵を閉める音を聞くことで、少しずつ私は落ち着きを取り戻していった。
えっと・・・確かこの人、2ヶ月くらい前に隣に越してきた・・・あぁそうだ!
謎の隣人さんだ!
と私が思ったそのとき、低い声が聞こえてきた。