キャッチ・ミー ~私のハートをつかまえて~
ちょうどドアを開けたら、ドアを開けた聖と目が合った。
「あ」
「おはよ」
「お、はようございます。野田さん、今からお仕事ですか?」
「おう」
俺たちは、そんな会話をしながら互いのドアの鍵を閉めると、ごく自然に階段を降り始めたので、俺はつい笑いそうになってしまった。
「やっぱおまえも階段使う派だったんだ」
「え?あ、ああ・・・なんか、エレベーターの中って、狭くて落ち着かなくて」
「だよな。それに3階くらいの階段の量だったら、いい運動にもなるし」
「はい。じゃあ私、バスだから・・・」
「聖」
「はい?」
「今日おまえんちに行ってもいいか」
「あ・・・・・・・・・」
どう答えようかと考えてるのか、聖は困ったような顔で俺を見るだけだ。
ホント不器用で・・・可愛いヤツ。
「ひーちゃん、バス来るぞ」
「あっ。じゃあ・・・何時、に」
「今日は講義がメインだから、7時過ぎには家に帰る」
「野田さんって、先生なの?」
「・・・時々な」
俺は警視庁内でプロファイリングを教えてる時もあるから、まぁこれはウソじゃねえよな。
いつかひーちゃんに俺の職業をちゃんと言う時が来るだろう。
聖はそれで安心したのか、ニッコリ笑って「分かりました」と言ってくれた。
「待ってます。じゃ、えっと・・・行ってらっしゃい」
「おう。ひーちゃんもな」
「はいっ」
「あ・・・・・・ひじりっ!」
「やっ!?」
バス停へ歩いていた聖は、急に俺から自分の名前を大声で呼ばれてビックリしたようだが、他人のフリをせず、ちゃんと俺の方をふり向いてくれた。
だが、顔はすげー恥ずかしいと言っている。
わりいな、ひーちゃん。
だがこれは、「行ってらっしゃい」って言ってくれた礼と、5日ぶりに会っておまえんちへ行けるのが嬉しいってのに加えて、俺のちょっとした独占欲も多少・・・入ってる。
「な、なんですか、のださ・・」
「かずと」
「・・・・・は?」
「俺の名前」
「あ・・・・・・ぁ」
いきなり俺に呼び止められたと思ったら、こんなことを言われた聖は、明らかに困惑しながら「どうも」と言うと、スタスタと歩いて行った。
そんな聖の後姿を見てニンマリ笑った俺は、やっと車がある方向へと歩いた。
「あ」
「おはよ」
「お、はようございます。野田さん、今からお仕事ですか?」
「おう」
俺たちは、そんな会話をしながら互いのドアの鍵を閉めると、ごく自然に階段を降り始めたので、俺はつい笑いそうになってしまった。
「やっぱおまえも階段使う派だったんだ」
「え?あ、ああ・・・なんか、エレベーターの中って、狭くて落ち着かなくて」
「だよな。それに3階くらいの階段の量だったら、いい運動にもなるし」
「はい。じゃあ私、バスだから・・・」
「聖」
「はい?」
「今日おまえんちに行ってもいいか」
「あ・・・・・・・・・」
どう答えようかと考えてるのか、聖は困ったような顔で俺を見るだけだ。
ホント不器用で・・・可愛いヤツ。
「ひーちゃん、バス来るぞ」
「あっ。じゃあ・・・何時、に」
「今日は講義がメインだから、7時過ぎには家に帰る」
「野田さんって、先生なの?」
「・・・時々な」
俺は警視庁内でプロファイリングを教えてる時もあるから、まぁこれはウソじゃねえよな。
いつかひーちゃんに俺の職業をちゃんと言う時が来るだろう。
聖はそれで安心したのか、ニッコリ笑って「分かりました」と言ってくれた。
「待ってます。じゃ、えっと・・・行ってらっしゃい」
「おう。ひーちゃんもな」
「はいっ」
「あ・・・・・・ひじりっ!」
「やっ!?」
バス停へ歩いていた聖は、急に俺から自分の名前を大声で呼ばれてビックリしたようだが、他人のフリをせず、ちゃんと俺の方をふり向いてくれた。
だが、顔はすげー恥ずかしいと言っている。
わりいな、ひーちゃん。
だがこれは、「行ってらっしゃい」って言ってくれた礼と、5日ぶりに会っておまえんちへ行けるのが嬉しいってのに加えて、俺のちょっとした独占欲も多少・・・入ってる。
「な、なんですか、のださ・・」
「かずと」
「・・・・・は?」
「俺の名前」
「あ・・・・・・ぁ」
いきなり俺に呼び止められたと思ったら、こんなことを言われた聖は、明らかに困惑しながら「どうも」と言うと、スタスタと歩いて行った。
そんな聖の後姿を見てニンマリ笑った俺は、やっと車がある方向へと歩いた。