キャッチ・ミー ~私のハートをつかまえて~
男の子は、行方不明になってから5日経ってもまだ家に帰って来ず、連絡もない。
ということは、事故に遭ったか、犯罪に巻き込まれた可能性は十分にある。
しかし金目的の誘拐である可能性はほぼなくなったため、事件は捜査一課が指揮を執ることになり、俺は家に帰った。
・・・疲れた。
前、家(ここ)を出たのは、イブのパーティーん時だったから俺も5日ぶりの帰宅だが・・・あの子はまだ家に帰ってねえんだよな。
自分が担当する事件が、全てすぐに解決できるとは限らないということは、頭では分かっている。
だが未解決のまま家に帰ると、やっぱ・・・疲れが増す。
特に精神的な。
だが、いつまでもその事件を引きずるわけにはいかない。
その子の捜索には俺も引き続き関わるが、他の事件の傍らに、という形になるのは仕方ないことだ。
後は一課の奴らに任せるしかない。
俺は心身の疲労を取るため、しばらくの間、シャワーの湯に体を委ねた。
さて、これからどうすっか。
ここ5日、ロクに寝てねえから、眠気はかなりあるが、今は夜の8時過ぎだ。
寝るには早え・・・いや、またいつ呼び出しがかかるか分かんねえから、やっぱ寝れる時に寝といたほうがいいよな。
腹減ってもいるんだが、あんま食欲ねえし。
それ以上に眠い。
俺が寝室へ行こうとしたそのとき、玄関チャイムが二度続けて鳴った。
ということは、聖だと分かっちゃいるが、念のためだ。
それに聖には「俺だと分かっていても、絶対インターホンで確認しろ」と言ってる以上、俺だってそうしねえとな。
俺ははやる気持ちを抑えながらインターホンの受話器を引っ掴むと、「はい」と言った途端、「あ、やべ」と思った。
俺の言い方、超ぶっきらぼうになってるじゃんか!
聖が怖がるだろ、俺のアホ!
「あ、あの・・・なかく・・ひじり、です」
思ったとおり、最初はビビッて言いよどんだ聖だが、最後は名字じゃなく、自分の名前を言ってくれたことに密かに満足しながら、俺はドアを開けた。
目の前に立っている聖を見ただけで、俺の疲労感はどっかへ行っちまった。
「よぅ。どーしたひーちゃん」
「あっ・・・・・ぁのっ。これ」
と言いながら、聖はつけてるペンダントを俺に見せてくれた。
「・・・ありがとう、ございました。もっと早くお礼を言おうと思ったんだけど・・・」
「俺、ずっと留守してただろ」
「あぁ、やっぱり」と言いながら、ペンダントについてる星と三日月をいじっている聖は、恥ずかしいのか俯いたままだ。
「それで私、野田さんに何かお礼を、というか、クリスマスプレゼントをって考えたんですけど、何あげたらいいのか分からなくて・・・。野田さん、ネクタイしないようだし。処分に困るようなヘンなものあげるの、意味ないし。だから、今度食事作ります。野田さんが食べたいものを、野田さんの都合がいい日に・・・あ、でも、そんなのもやっぱり、重荷っていうか、迷惑、ですよ・・・・・・ね」
俺は聖の顎に軽く手を添えて顔を上げさせた。
うっすら涙が溜まっているのか、聖の目が潤んで見える。
こいつ、今も泣きそうな声出してたしな。
「おまえにそれをあげたのは、純粋におまえに似合うと思ったから。マフラー編んでくれた礼じゃねえぞ」と俺が言うと、聖はバツの悪い顔をした。
やっぱこいつ、とんでもねえ勘違いしてたか。
ということは、事故に遭ったか、犯罪に巻き込まれた可能性は十分にある。
しかし金目的の誘拐である可能性はほぼなくなったため、事件は捜査一課が指揮を執ることになり、俺は家に帰った。
・・・疲れた。
前、家(ここ)を出たのは、イブのパーティーん時だったから俺も5日ぶりの帰宅だが・・・あの子はまだ家に帰ってねえんだよな。
自分が担当する事件が、全てすぐに解決できるとは限らないということは、頭では分かっている。
だが未解決のまま家に帰ると、やっぱ・・・疲れが増す。
特に精神的な。
だが、いつまでもその事件を引きずるわけにはいかない。
その子の捜索には俺も引き続き関わるが、他の事件の傍らに、という形になるのは仕方ないことだ。
後は一課の奴らに任せるしかない。
俺は心身の疲労を取るため、しばらくの間、シャワーの湯に体を委ねた。
さて、これからどうすっか。
ここ5日、ロクに寝てねえから、眠気はかなりあるが、今は夜の8時過ぎだ。
寝るには早え・・・いや、またいつ呼び出しがかかるか分かんねえから、やっぱ寝れる時に寝といたほうがいいよな。
腹減ってもいるんだが、あんま食欲ねえし。
それ以上に眠い。
俺が寝室へ行こうとしたそのとき、玄関チャイムが二度続けて鳴った。
ということは、聖だと分かっちゃいるが、念のためだ。
それに聖には「俺だと分かっていても、絶対インターホンで確認しろ」と言ってる以上、俺だってそうしねえとな。
俺ははやる気持ちを抑えながらインターホンの受話器を引っ掴むと、「はい」と言った途端、「あ、やべ」と思った。
俺の言い方、超ぶっきらぼうになってるじゃんか!
聖が怖がるだろ、俺のアホ!
「あ、あの・・・なかく・・ひじり、です」
思ったとおり、最初はビビッて言いよどんだ聖だが、最後は名字じゃなく、自分の名前を言ってくれたことに密かに満足しながら、俺はドアを開けた。
目の前に立っている聖を見ただけで、俺の疲労感はどっかへ行っちまった。
「よぅ。どーしたひーちゃん」
「あっ・・・・・ぁのっ。これ」
と言いながら、聖はつけてるペンダントを俺に見せてくれた。
「・・・ありがとう、ございました。もっと早くお礼を言おうと思ったんだけど・・・」
「俺、ずっと留守してただろ」
「あぁ、やっぱり」と言いながら、ペンダントについてる星と三日月をいじっている聖は、恥ずかしいのか俯いたままだ。
「それで私、野田さんに何かお礼を、というか、クリスマスプレゼントをって考えたんですけど、何あげたらいいのか分からなくて・・・。野田さん、ネクタイしないようだし。処分に困るようなヘンなものあげるの、意味ないし。だから、今度食事作ります。野田さんが食べたいものを、野田さんの都合がいい日に・・・あ、でも、そんなのもやっぱり、重荷っていうか、迷惑、ですよ・・・・・・ね」
俺は聖の顎に軽く手を添えて顔を上げさせた。
うっすら涙が溜まっているのか、聖の目が潤んで見える。
こいつ、今も泣きそうな声出してたしな。
「おまえにそれをあげたのは、純粋におまえに似合うと思ったから。マフラー編んでくれた礼じゃねえぞ」と俺が言うと、聖はバツの悪い顔をした。
やっぱこいつ、とんでもねえ勘違いしてたか。