晴れ女
無言のままでいればまた慎吾に気を使わせてしまう。

家に着くまでの道のり。

自分なりに明るく振る舞った。


きっと慎吾も気付いてないはず。

だって頭で思ってる内容が口から出る言葉と違うだなんて違和感、私でもなかった。




「――今日はありがと」

「いいえー。また明日学校でねん」



門の前で慎吾と挨拶を交わし、見えなくなるまで背中を見送る。



――ハア……


玄関を開ける前にもう一度携帯をチェックするも、結果は同じ。



一気に重くなった気がする体。


私はそのまま玄関前に座り込み、しばらくボーッとしていた。
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