晴れ女
「朝陽……」


すりよりながら朝陽を抱きしめ名前を呼ぶ。


「お。珍しいじゃん。陽菜可愛い~」


そう言って私の腰に手をまわす朝陽はニヤニヤとイタズラな笑みを浮かべてる。


髪の中に指を入れれば自然に重なる二人の唇。




「何も考えられなくしてよ」



私のその言葉に、一瞬目を丸めた。
でもすぐに表情は柔らかくなる。




「陽菜」





名前を呼ぶ声さえ愛おしい。


朝陽は私でイッパイになったりはしない、よね。






涙が目尻から落ちたのは感じてるせいだと、ごまかした。
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