晴れ女
再び二人の視線が絡み合う。



それとほぼ同時だった。



「お前ら何してんの?」



麦茶を手にした朝陽が玄関に戻って来た。



掴んでる手の力が緩むと、自然に離れた私達の手。


「この人玄関に倒れてたからいっちゃん呼びに行こうと思って……」


朝陽の問いに”由紀”が答える。

もう涙を堪える為の喉の熱さは引いていて、冷静に二人を見つめる私が居た。



「あー……さっきまでいじめてたからだ。気にすんな。今日はどうした?」


立ったまま見下ろす形で”由紀”に訪問理由を尋ねると、


「あ!そうそう!今日ママがいっちゃん家でご飯食べないかって。おばさん達遅い日でしょ?」




そうか。
そんな日があるって言うのも知ってるんだ。
当たり前……だよね。
幼なじみだし。



その時。

「あ!!良かったらご一緒にどうですか?」


笑顔を向けられ問いかけられたのは私の方。
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