晴れ女
「知らない振りしてって言われたんだけどさ、それじゃあ慎吾の想いは届かないだろ?」

運転席の後ろに座る私に、クルリと体を向けて話す。

「急に立ち止まって、何やってんだと思ったらしばらくすると、”車で待機”とか言い出すし」



慎吾……それって……



「何があったか知らないけど、ちょっとは慎吾の事も考えてやって。ね?」


「はい……っ」


返事がちょっと詰まり気味になってしまう。
慎吾……何でよ……何で……



そんな私の様子を見た二人の声が、慌てふためき、


「な、泣かないでね?!やべえ!慎吾に怒られる!」

「どどどどどど」

「何だよお前うぜえよ!」
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