晴れ女
運転席の人が頭を叩く。

「ははっ……大丈夫です。泣いてません」


本当はちょっとヤバかったけど。
二人の慌て方が面白くて。
瞼にたまった涙を拭い笑顔を浮かべた。


「慎吾だ」

ちょうど慎吾がコンビニから出てこようとしていて。



「陽菜ちゃん?だっけ?今の話内緒ね。」

「吸ってー吐いてー吐いてー吐いてー吐いてー沢山吐いてー」

「吐き過ぎだバカ!」

「あははははっ」




車内の空気は慎吾が出ていく前と変わらない。

ドアを開けて、みんなの飲み物を買ってきた慎吾も異変に気付く事なく、また車は走り出した。
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