晴れ女
ちゃんと謝ろうとした私は慎吾の隣に腰を下ろす途中で。




「寂しいか。朝陽と居れないのが」





私を射抜く慎吾の視線に体が急に金縛りにあった様に動かない。




「朝陽が他の女を選んだのが寂しいか」




その言葉に”由紀”を抱き締める朝陽の姿がフラッシュバックしたかのように鮮明に浮かぶ。



慎吾はあれを見てて……
じゃあ全て分かった上で……



「慎吾……あの……」



何を口にしようとしてるのか分からない。

だけど、何か言わなきゃって強く思った。


「朝陽に帰る様に言ったのは私なの。あの子朝陽の隣に住んでる子で……だから……」


ああした方がいいじゃん。って。
遠回しに言葉にした。
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