晴れ女
いつも笑顔を絶やさない慎吾が真剣で。


しかも眉間に皺を寄せてかなり怒ってる。



「お前に構うのは由紀に似てるからじゃねえ!俺から見たらどこも似てねえし!」



「……っ!!」


言葉を失い、ヒュッっと息を吸い込むと呼吸をする事を忘れたのかと勘違いしそうな位胸が苦しくなる。



「朝陽よりも俺が先にお前を見付けたんだ!」



いつも”陽菜ちゃん”と笑顔で呼ぶのに。



「朝陽の隣に並んで帰る姿。どんな想いで見てたと思う?」


「……」


「惚れた女を忘れる為に遊んでんのに、その女が泣きそうな顔して歩いてる気持ち分かるか?」
< 200 / 394 >

この作品をシェア

pagetop