晴れ女

――寝る。



眠ろう。

昨日あれだけ泣いて夜通し起きてたんだ。

きっと死んだ様に寝れるはず。





夢なんて見たくない。



枕を抱き、布団を頭まで被る。



”陽菜!!”


”ひーなっ”


”陽菜……”



「ふ……くっ……はあ……ひー……ん、あー……」



も……何でよ……


目を閉じれば今にも聞こえてきそうな朝陽の声。




こんなにも体が疲れてる。
何も考えたくないのに。



浮かぶのは眩しい笑顔で私の名を呼ぶ朝陽。



――枕に顔を押し付け、何かの糸が切れたかの様に気が済むまで泣いた。
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