晴れ女
少しの沈黙が二人を包む。

泣いてたのはバレバレだし、何も言わなくても朝陽で泣いてるってのは分かっちゃったりすんのかな。


なんて考えてたら。



「今日朝陽の事門で待ってた女の子居たからさ。それが原因で休んだんじゃないの?」


――あ……



見た訳じゃないのに。
朝陽と”由紀”が楽しそうに歩く姿が鮮明に浮かぶ。


と、同時に……今頃になってまた……
佳奈が来た事で無理矢理止めた涙がじわりじわりと瞼にたまって。



――ぽとりと膝に落ちた。
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