晴れ女
「別れた、の?」


その言葉に頷く。

金曜日まで……いや、花火大会が終わるまで。



私は確かに幸せだった。

どんな関係でもよかった。
朝陽の温もりに触れられる位置に居るだけで笑顔になれた。





「頑張ったね」






背中を佳奈がゆっくり上下に擦ってくれる。


「ひ、ん……ふぅう~……」



佳奈の手から伝わる温もりが凄く温かくて。

抱き締められてないのに、包まれてる気分になった。


最初から全てを知ってた佳奈。
反対はしてたけど、それでも私を見守っててくれた。



「あり、がと……」

「当然でしょ」



何度も何度も。
お礼を言いながら泣き続ける私に、ちゃんと相槌を打ちながら、背中を擦る手は泣き止むまで止まらなかった。
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