晴れ女


「鼻パンパンじゃない。かみなさいよ」



ティッシュを差し出され、気を使う事なく鼻をかむと「汚な……」と冗談を言れ、ティッシュを投げつけると本気で怒られそうになった。



私が落ち着いた頃、外から車の音が聞こえた為、急いで部屋に上がる。


突っ込まれたくない。
特に朝陽と仲が良かったお兄ちゃんには。


部屋に入ると「ただいま~」と帰って来たのはどうやらお兄ちゃんで。

私達はそのまま部屋に居る事にした。



一時間ぐらい話した後、佳奈に、明日は学校行くよと告げると「無理しなくていいんだからね」と眉を下げ、曖昧な表情で言われた。


二人で階段を降り、玄関まで佳奈を送る。


靴を履き、バイバイと口にしようとした時。


「あ」と、何かを思い出したかの様で、クルリと私に向き直った。
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